ちゅり男さんオススメ「私の財産告白」(本多静六)を読む

私が読者になっている「神経内科医ちゅり男のブログ」で紹介されていた本です。私はこの本多静六という人を全く知らなかったのですが、ウィキペディア的に言うと日比谷公園を作った人で、日本の「公園の父」だそうです。1866年生まれ。明治維新の頃になります。

 

この人は小さい時からひどい貧乏生活を強いられていたのですが、25歳のときに東大の農学部助教授に就任、その後貧乏からいかに抜け出し、富を築いていったかが飾らない文章で綴られています。じっくり読むとこの人のすごさがじんわり伝わってきます。

 

1、貧乏征伐 ー「四分の一天引き貯金法」

貧乏から抜け出すには貧乏をやっつけるしかない、ということで、給料から四分の一を天引きして貯金してしまうというやりかた。25歳当時、静六はすでに総勢9人を養っていたということなので、かなり厳しい数字だと思います。

これを私に当てはめると、年金とパートのお給料で14万円とすると、4分の1は3万5000円になります。5分の1で2万8000円、6分の1で2万2000円。こう考えると、4分の1というのがいかに重みのある数字か実感できます。

と同時に、4分の1は無理でも、5分の1、いや6分の1ならできるかも、とも思えてきました。

 

投資については「二割利食い、十割益半分手放し」と言う方法で確実に資産を増やしたようですが、これは「先物取引」のことのようなので省きます。

 

2、平凡人の成功法 ー「職業の道楽化」

道楽化とは、すべての人が自分の仕事に全身全霊で取り組めば、その仕事が面白くてたまらなくなるということで、ここまでくるとその仕事の「粕」としてお金や地位が知らず知らずのうちにめぐまれるとのこと。

私はこの「粕」と言う言葉をどんな意味で使っているのかピンとこなくて、調べてしまいました。すると「液体をこしたあとに残ったり、液体を入れた容器の底に沈澱したりしたもの。おり。」とあり、転じて「よい所、必要な部分を取り去ったあとの残り。役に立たないつまらないもの。最も下等なもの。」とあります。たぶん、仕事が楽しいと言うこと自体でもう幸せなのに、おまけにお金までついてくる、ということだと思います。

そして、「職業を道楽化する方法はただ一つ、勉強に存する。努力また努力のほかはない」としています。なんだかずし~んときます。どんな仕事でも最初はたいへんですが、勉強して努力していけば必ず面白みが生まれ、喜びになるといいます。

具体的な方法としては「仕事に追われないで、仕事を追う」。明日の仕事を今日に、明後日の仕事を明日に、さらに今日にでも少しでもできるようにする。なんだかこれは、耳の痛い話です。私はいつもギリギリ今日のことを今日するような生活をしてきましたが、このやり方をちょっと変えてみようかと思っています。

 

そしてこの本は「人生即努力、努力即幸福」ということばで終わります。25歳から始めた四分の一貯金と投資などで築いた富は60歳の定年時にすべて寄付をしたそうです。

 

+++++

ちなみにですが、本多は渋澤栄一とも親交があったようです。去年、「青天を衝け」にハマっていた私には、なんだかうれしかったです。このところ渋澤栄一ロス、というか吉沢亮ロスのせいで、今年の大河はなんだかしっくりこなくて、あんまり真剣に見ていません。

 

吉沢亮のキラキラした瞳を毎週見続けていたので、小栗旬がぜんぜん輝いていないと思ってしまいます。下級武士という役柄なので、今の所しょうがないのかもしれませんが。今後、小栗旬が輝いてくるかもしれませんし、見ていこうとは思いますけどね。

f:id:lateinsummer:20220131184054j:plain