コロナ禍だけど、行きたいところができた。(お金と関係ありません。)

こんな気持ちになったのは久しぶりです。コロナの感染が始まってから、どこかに行きたいと強烈に思ったのはこの1年半で初めて。

 

世田谷文学館(美術館でなく)で開催中の、安西水丸

 

今日たまたまテレビをつけたら、この展覧会の概要を5分ほどで紹介していました。最近はあんまりテレビを見ないのに偶然このお知らせを見て、私は勝手に「うわっ!これは運命だ!」と思ったのです。

 安西水丸さん。もちろん個人的に知っているわけもないのですが、ご本人をお見かけしたことがありました。青山通りベルコモンズ(今はないらしい)の方向に向かって歩いていて、白っぽいチノパンとグレーのツイードのジャケットを着た後ろ姿を、私はしばらくの間ついていきました。

 次に思い出深いのは、これも偶然ですがNHKのドキュメンタリーで、安西水丸さんが江ノ島周辺を歩きながらスケッチをしたり、買い物をしたりする姿をテレビで見たのです。その中で江ノ島のおみやげ屋さんで灯台のおみやげを買い、それをスケッチする場面がありました。

 その番組を見た頃私は20代の男の子と仲良くしていて、その子と江ノ島に行くことになったのですが、江ノ島神社に向かう参道で例の灯台を思い出し、おみやげ屋さんを一件一件回って何が何でも同じものを見つけて買って帰ると決めました。

 参道の最初のおみやげ屋さんに入った時、思わずあーっと声をあげてしまいました。小さなガラスケースの中に安西水丸さんの写真と、灯台のおもちゃが飾られていたのです。お店のおじさんに同じものがほしいとお願いしてみたところ、いろんな人が買いに来てもう同じものはこれしかないので売れない、と言われました。しかたなく、私は同じではないもののそれと似ている灯台のおもちゃを買いました。同じじゃなかったけれども、ほんとうにうれしかったです。

安西水丸さんは私の甘酸っぱい思い出に時折登場する重要人物です。会期は9月20日まで。私は行けるんだろうか?